若い頃の旅でも、農業研修以降、スイスの家族を訪ねる時でも、私はオフシーズンの格安航空券を探して行くことがほとんど。各航空会社の飛行機に乗ったり、たとえ乗り継ぎの為だけだとしても、その国の特色、雰囲気や食べ物を楽しめるのも魅力です。そんなことで、これまでに約10ヵ国の飛行機に乗りました。時には30時間くらいかけて、南回りでマレーシアやシンガポール経由で、空港で(空港料金なので、現地では割高なんでしょうが、日本に比べれば安い!)マッサージしてもらったことも。そして今までで一番印象的なトランジットといえば、フィンランド航空、ヘルシンキ乗り継ぎ。その時の格安航空券会社の女性と意気投合したおかげで実現した無謀な計画でした。それはスイスに10日ほど手伝いに行った帰り。せっかく憧れのヘルシンキに上陸するなら、街にも行ってみたい!という私の思いをくみ取ってくれた彼女は「トランジットは24時間以内の滞在は可能ですよ!」と24時間以内に乗り継ぎ可能な便を探してくれました。夜21
時頃、山ほどのスイスからの荷物を抱え、身軽なビジネスマンのヨーロッパの人20人足らずの乗客に紛れ、小さな飛行機に乗り込みヘルシンキへ。空港から市街まで一時間ほどバスに揺られ、歩いて予約したホテルにたどり着いたのは、すでに0時すぎ。疲れはて、シャワーを浴びて直ぐに寝ました。翌朝は7時前に起き、北欧らしい魚のオイル漬けや酢漬けも並ぶ朝食バイキングをそそくさと食べ、8時には街へ出陣!以前、雑誌の特集でチェックしておいた数ヶ所のお店を、いかに短時間で回れるか考えながら、張り切ったものの、真冬の北欧はお昼近くなって、やっと明るくなるわけで…暗闇の中、足早に本屋さん、デパート、古本屋さんを回りました。その古本屋で車好きな私の目に止まった、この可愛い本は、上品なクラシックカー図鑑といったところ。写真の1956年のシトロエンなんて、とても美しい! ヘルシンキでの駆け足の旅は、その後も、有名な陶器メーカー‘アラビア社’の工場隣接のアウトレット販売店、バスから見えて気になって途中
下車したリサイクル屋さん、街のスーパーなどを巡り、ダウンコートが暑苦しいほど、最後は走ってホテルまで預けた荷物をとりに行き、大荷物で空港行きのバス乗り場へ。汗だくで、ギリギリ空港のチェックインに間に合いました。帰りの飛行機では、日本の大学3年生というフィンランド人と仲良くなったり、20代の一人旅だからこそできた盛りだくさんの旅は、いい思い出です。またいつか、ゆっくりヘルシンキの街を訪れてみたいな。