スイスのファミリーとの出会いは、今からちょうど十年前。
農業研修の配属先であったSchwarz家は、日本人研修生を受け入れて当時すでに
約30年。一番古く、一番厳しいと言われる野菜農家でした。
日本での研修、チューリッヒ大学で一ヶ月の語学研修を終え、3月末にチューリッヒ
からの電車に揺られ1時間ほどのNiderbippへ向かうまでこれから一年間過ごす農家で
うまくやっていけるか、迎え入れてくれるのはどんなファミリーだろうかと不安で
いっぱいでした。幸い、町内にもう一人配属されたので心強かったけれど、同期の
スイス研修生は皆スイスのあちこちの農家(果樹や酪農も)に配属され、これほど手紙
を沢山書いた時期はないといえるくらい、週末訪ねて行く約束や相談事様々な出来事
など手紙でやりとりしました。遠い異国の地で携帯やメールに頼らない生活というの
はとても貴重な経験でした。
昔話はほどほどにして…。
決して楽しいばかりではなかったスイスでの日々。けれども、それ以上にスイスの
四季折々の暮らしぶり、目に、胸に焼き付いている美しい景色、笑いあり涙ありの
ファミリーとの時間、あの地だからこそできた体験など、かけがえのない時間を
過ごさせてもらいました。それは思い出すだけでも私を助けてくれ常備薬のような
存在となっています。最初の研修が終わった後も、労働ビザを延長して再び半年、
その後も休暇と安いチケットを見つけては訪ねて行き、通算2年以上の滞在。
そして今回は三年ぶり、確か8度目の訪問。短い時間でしたが、いつもあたたかく
迎え入れてくれるスイスのみんなから元気をもらって帰ってきました。
これからしばらくの間、スイスで撮った写真を中心に毎回少しずつ、紹介していこう
と思います。私たちも慌ただしかったので、じっくりと振り返るつもりで。
毎日更新できないかもしれませんが、皆様に楽しんでいただけたら嬉しいです。