スイスの農業研修初日に、屋根裏の私の部屋に案内された時、一番に目の中に
飛び込んできたもの。それは、柳の枝と水仙の花、それからバスケットに入った
イースターバニーとエッグ(チョコレート)お母さんからの「歓迎」のカード。
それまで張り詰めていた緊張感が、フっと緩み、嬉しかった事を覚えています。
イースター(ドイツ語でオーステルンOstern)とは、十字架に架けられ亡くなった
キリストが、甦ったことを祝う復活祭。クリスマスの次に大きな行事ですが、
現在はバレンタインデーのように製菓業界の商業戦略の方が印象的。クリスマス
が一段落し年が明ければ次はイースターといった感じで、スーパーには多種多様
のウサギやタマゴで溢れ、店先や家のディスプレイも見応えがあります。
なぜ、ウサギとタマゴなのかというと。
野ウサギは豊穣、繁殖の象徴であったり、神話の中では「母」なる女神の象徴で
あるとされてきたそうです。それからタマゴは、生命の再生の象徴。また復活祭
前日までの40日間の断食中に卵を食べることは禁じられていたため卵は復活祭に
テーブルに載る第1の食べ物だったそうです。卵を彩色する習慣は、古く紀元前に
エジプトやペルシャで行われていたとも。
研修時代は、イースターエッグ作りをし、直売所でも販売しました。
庭に隠しはしませんでしたが、当日の夕食時には、タマゴとタマゴをぶつけ、
どっちが強いか(割れないか)とみんなで遊んだのを憶えています。