今年で塩尻に移住して10年になります。
ここ数年は、極寒の塩尻の真冬にもすっかり慣れ、まつ毛まで
凍って視界が幻想的になる氷点下の朝や、何もかもが凍てついて
息を止めてしまっているような朝にも、フロントガラスを飾ってくれる
毎日違う模様の結晶や、物差しをあてたくなるような長い霜柱‥‥
そんな小さな発見が日々の驚きや感動として飛び込んできます。
実際はキレイゴトも言っていられないくらいに寒さに身を縮め、
家の中でも帽子や上着が脱げずにいたり色々が凍みてしまわぬようにと
必死でも、なんだか可笑しくて笑ってしまう、この寒さ。
そんな真冬の週末は、一年の中でも唯一気持ちにゆとりを持ち、
息子と雪遊びをしたり、お菓子やパンを焼いたりする時間が
多少なりともとれます。久しぶりにタルトを焼きたくなって、
ウィークディに仕込んでおいたタルト生地を使って、息子と
日曜日のタルト工房稼働!「お咳が出たら大変」と自らマスク
着用で、ますます本格的に。数年前に作ったエプロンもこれで
卒業かな。と思いながら、もう半分は任せて撮影に専念できる
ようになってしまいました。
ほんの少し余った生地で動物たちの型抜き。
スイス風におろし金のようなもので半分に切ったリンゴを
おろすと、ほんのちょっと赤い皮も入って、煮ると美しい
ピンク色に。息子のリクエストで、美味しそう!と狙って
いる動物たちの姿も写真に収めました。
北欧のブタの親子の型が可愛くて。
スイスのヤギや羊、ハリネズミも負けない可愛さ。
動物の型も、見比べるとけっこう面白いんです。
日本のは丸っこくって、ちょっと子供だましみたいな
のが多いような気がします。
秋冬の王道、リンゴのタルトはやっぱり美味しい。
あるパリの家庭料理を紹介している本に
「リンゴの並べ方でタルト作り歴がバレてしまう」とありました。
本当に、単純そうで難しいこのリンゴの並べ方。実は二重になって
いて、下段は反対向きに並べたあります。今回は息子も口や手を
出してきて、二人で真剣に仕上げましたが、あともう一歩かな。
もうひとつは、少し小さめの型で念願のキッシュ・ロレーヌを!
ずっと作ってみたかったんです。
ちょっとアレンジして、よく炒めた玉ねぎとハムを入れました。
次回はもっと大きな型でいろんな具材で試したい美味しさでした。