完全な恋人

花屋さんでは、先月からいち早く春の訪れを告げるかのように
各色、様々な種類のチューリップが並び始めました。
寒さだけは自慢できる山屋では、この時期一か月以上飾っても
キレイなチューリップを飾っています。
チューリップほど一輪の花であるのに、姿を変えながら楽しま
せてくれる花はないのではないでしょうか。
例えば、店頭に並んでいる時は、かたいグリーンの蕾にうっすら
色が差しているいる程度で、大きさも小さいのに、次第に花びら
が開いていくと、まるで想像もできなかった様な色や形、サイズ
になり、驚きや感動、時にはがっかり(蕾の時は淡いベージュピ
ンクが差していた尖った蕾だったのに、咲いたら作りものみたい
な大きくていかにもチューリップ!という平凡な形だったり)
することもあり、それがまた楽しい。

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私の愛読書「英米文学植物民俗誌」を開くと、
おそらく野生種は十字軍戦争の頃に小アジアから伝わり12世紀
のイタリアではすでに知られていたが、原産地はペルシャとされ
ている。園芸種は15世紀頃、コンスタンチノーブルからトルコ
に伝わり、後にトルコのオズマン王家の紋章とされた。各説ある
が、後にトルコ駐在のオーストリア大使がヨーロッパに伝えたと
言う説が有力だとか。

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ペルシャ伝説では若いFerhadが乙女Shirinに失恋し自殺しようと
砂漠へ迷い出た時、Ferhadが落とした涙がこの花になったと伝え
られておりチューリップを「完全な恋人(perfect lover)」の
象徴とされているそうです。ペルシャの古い書物には「若い男が
恋人にチューリップを贈るのは、その花全体の色で自分が恋人の
美しさに火と燃えていることを相手に伝えたいから」とあります。

 

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Tulipの語源は、turbanターバンからきており、開いた花の形や
色がターバンに似ていることによるというのは学生時代に習った
記憶があります。
第二次世界大戦中、オランダ人はチューリップの球根を食べていた
とか!オランダ・ペルシャの国花であり、占星術ではMoonの植物。
赤いチューリップは、燃え立つ若者のハートに通ずる。異性にこの
花を贈るのは‘I love you’の意思表示で、花言葉は「愛情の宣言」
ただし黄色のチューリップには「見込みのない恋hopeless love」
とう花言葉があるというから、ある意味いい加減な花言葉も、時に
は意味深で気をつけないといけませんね。

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