日本でもすっかり人気になった‘クリスマスローズ’。
今では、植物園やイベントでクリスマスローズ展が開催されたり、
原種の追及から最新の品種改良種まで、姿形・色も実に様々。
しかしながら、厳密に言うとクリスマスローズというのは
純白の清楚な一重の花を咲かせるHelleborus niger ニゲルのこと。
キリストが誕生した時に、一人の貧しい少女が聖母マリアのもとに
駆けつけたが、誕生を祝う贈り物がなく嘆き悲しんでいると、少女
の流した涙が落ちた土から忽然とニゲルが咲き乱れ、少女はそれを
摘み束ねてマリアに捧げた、という物語が伝えられています。
まさに、何もないクリスマス頃から1月に雪の下で凍えるように、
ひっそりと咲く姿に胸を打たれます。
一方、通称クリスマスローズ Helleborus orientallis は
和名 寒芍薬 別名 春咲きクリスマスローズ
英名は復活祭前の40日間を意味するLenten rose レンテンローズ
暖地では2-3月に開花(塩尻では3-4月)
花色(萼花弁)がピンク・白・緑・黄など豊富で
草丈はニゲルに比べ高く40-60センチ。
右の緑色のは原種のアーグティフォリウス
スイスの山には、これに似た原種が沢山自生していました。
やはり私はフェチダスなど、このタイプが好み。
西日を嫌い、日当たり~反日陰の落葉樹の下を好むレンテンローズ。
よく写真で見るようなギュウギュウの群生にはなりませんが、細々と
でも、15種類ほど集まりました。和の庭にも洋の庭にも似合い、寒さ
に強く丈夫なところに安心感があります。