Apfel&Birnen リンゴと洋梨

スイスで一般的な果物といえば、リンゴと洋梨でしょうか。
イチゴは私の知る限り、露地栽培だけだし、あんず、さくらんぼ、プルーン
ベリー類、カリンなど、旬の果物はだいたい信州と同じような顔ぶれ。
こうして考えていて気づいたのは、あちこちにブドウ畑が広がっているのに、
それらは全てワイン用ブドウだということ。確かに、スイスの家庭でブドウを
食べたのは一度くらい。スーパーで売られているブドウを見ると食べたくなり
個人的に時々買っていましたが、それらはどれもイタリア産。しかもおそらく
赤と緑の二品腫のみで種なしで皮がパリッと皮ごと食べられるものでした。
もしかしたら、どこかで国産生食用ブドウも作っているのかもしれませんが。
なんとなく、ブドウはチーズの盛り合わせに添えたり、お肉料理のソースや
デザートに使うことが多いのかなぁ、という印象を受けました。

その点リンゴは一年中、洋梨もほぼ一年中スーパーや、私のいた農家の直売所
でも切らさずに販売していました。
例えば学校やホテルのロビーのようなところに山のように積まれていて、自由
に食べてよかったり、子供のおやつ、出かける時、お昼のサンドイッチと一緒
に…といった具合に、いつでも登場します。私が日曜日に電車に乗って出かけ
る時も「直売所からリンゴ(洋梨)持っていってね!」とよく言われました。
日本では規格外のように小さかったり、不格好なリンゴや洋梨は愛嬌があって、
何度も摘果し、きめ細やかな管理をされた日本の立派な果物には劣りますが、
片手に握れる丸かじりサイズがスイスを始め、欧米の人のスタイルには合って
いるのだと思います。

そしてまた、リンゴと洋梨はお菓子づくりにも欠かせない!!
なかでもリンゴのタルトや洋梨のタルトはスーパーでもパン屋さんでも必ず
見かけるし、家庭でも主食代わりに作って食べるほど。だからワンカットが
日本の倍以上あるのですが、全然重たくなくて本当においしいんです。
スイスのようにおいしい冷蔵のパイシートがあれば簡単なんだけど…
生地から作るのは時間も根気もいる作業なので、余裕のある時に焼いてます。

スイスの愛嬌のあるリンゴたち

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丸かじりにふさわしい完熟でも固めの洋梨。
塩尻でも同じ品種を発見し大興奮!

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スイスのタルトは直径30cmほど。大人数の時には天板で作ります。
一人最低でも4/1カットは平らげちゃうリンゴと洋梨のタルト

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こちらは山屋。いよいよ我が家も在庫切れ缶詰の洋梨を使って。
やっぱり、生に比べると風味が…

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スイスだったら二人分?

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ミーヌス

数日間の異常な暖かさですっかり雪も解けました。
まるで春になるのではないかと錯覚するような陽気。+15℃。
そんな暖かい日に桜の枝を見ると、なんだか蕾が膨らみ始めているように見え、
寒い日に見れば、蕾はギュッと縮こまっているように見えるから不思議です。

立春も過ぎ、どこか「春」の存在を意識するようになる2月ではあるけれど、
ココは塩尻。まだまだ週間予報には氷点下の数字が戻ってきました。
ドイツ語でマイナスは英語と同じスペル。でも「ミーヌス」と発音します。
なんだか、その響きが可愛くって、真剣な会話の中でも内心笑ってしまったり。
今日は最低−13℃/最高0℃だとか。キッチンの食器洗いスポンジも凍る山屋です。
さぁ、気を引き締めていきましょう。

凍てつくジムニーの窓も、芸術的な模様

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外の世界も止まっているような寒さの中でも、健気で元気な彼らのために。

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冬の特産物

今キッチンで干されている信州産のしいたけとキクラゲ。
乾くとビックリするくらい小さくなって、ちょっとガッカリするのですが、
栄養分はたっぷり。
外仕事ができない分、この時期にしかできないこともけっこうあるんです。
キノコに限らず、ドライフラワーだってそう。
本当はヨーロッパみたいに夏も湿気がなければ、庭の花を端からドライにできる
のに、残念ながら日本の夏は蒸し暑い!
よっぽど風が通る猛暑日とか、乾きやすい花材ならうまくいきますが、たいてい
は日陰の室内でドライフラワー用に除湿機を設置して庭の花を乾燥させています。
今みたいに湿度が低く、暖房している状態はドライフラワー製造にモッテコイ。
花屋さんで、赤やピンクなど、普段手にしない色のスプレーバラを抱えていると
なんとも落ち着かないのですが、それらをこの時期にせっせと乾燥させて、花材
をストックしています。短時間でドライになるので、キレイな色に仕上がります。

冬の特産物。日々製造しております。

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2月のリース教室 × VICTORIAN CRAFT

ワークショップのお知らせです。

〜garden山屋の2月のリース教室〜

木の実を使って直径20cm弱の優しいアンティークブルーのリースを作ります。

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● 2/16(日) 11:00〜/ 14:00〜 (所要時間約1時間半)
● 各回定員6名
● お一人様 3800円 (お茶ツキ)

ワークショップ以外にも、ガーデン山屋の商品を販売いたします。
他にも、フィドルさんのパンの販売などもありますので、お気軽にお越しください!

ご予約、お問い合わせは
ヴィクトリアンクラフト 0120(11)3592 担当:盛田さんまでお願いいたします。

*2/7(金)のバッカスさんでのバレンタインワークショップ、まだ空きがございます。
短時間、しかもお試し価格で体験いただける内容ですので、ぜひどうぞ!
小さなハートリースづくり

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●2/7(金) 19:00〜
●お一人様 1500円 (学生さん 1200円) お茶ツキ
*ピンク系、ブルー系からお選びいただけます。
両方作りたい方は2800円になります。

ご予約、お問い合わせは mayu.yamamura@garden-yamaya.com

BUCCHUSバッカス
〒390-0861 長野県松本市蟻ヶ崎5-2-3

山屋リース教室 vol1

今日は朝のうちは雨降り。時折お日様が顔をだしたかと思えば、強い風。
ここ連日、10℃を上回る暖かさで、まるで春の嵐のようなおかしな天気。
すっかり雪も解け、このまま春になりそうですが、そういうわけにもいきません。

今日は初めて一般募集をしての山屋リース教室でした。
たった5名が集まっただけなのに、偶然にもお知り合い同士だったり、職場の元
同僚だったりと、不思議。毎回、私のワークショップが出会いの場であることが、
とても嬉しくて、また皆様とお会いできることを楽しみにしています。

今日は冬の日曜日の午後らしく、ゆったりと時間をかけてリースを作り、終了後に
炬燵でおしゃべりしながらのカフェタイム。今回は2種類のケーキをご用意してい
たのですが、リースを作っている最中にのぞきに来た息子が「母さん、ヒミツの
ケーキは?」と大きな声で聞いてきて、皆大笑い。
いつもなら、一緒に作ったり、一番に自分が食べさせてもらえるのに、昨夜彼が寝
ている間に二つとも作って、教室の時まで隠しておいたので「ヒミツのケーキ」
だったわけです。もちろん、教室が終わってから、彼もちゃんとヒミツのケーキを
それは嬉しそうに食べて、大満足になりましたが、なんだか健気で…

完成までの約二時間、ドライフラワーを皆でガサゴソ集中して作業。

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今回使用した花材は約10種類。庭でとれたダリア黒蝶が主役です。

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ヒミツのケーキたち。
スイス、グラウビュンデン地方のクルミのタルト。
以前働いていた石窯パン工房でも人気商品でした。
中にはカラメルクリームをまとったクルミがぎっしり!

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こちらは、洋梨のクランブルケーキ。作り方はシンプルですが
温存しておいたご近所の果樹園の完熟洋梨がとろけて風味豊か!

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花いっぱいのフレッシュリース

先日、知り合いからの面白い依頼を受けました。
その方は、ガーデン山屋の定番、クリスマスのフレッシュリースを気に入ってくださり、
閃いたそうです。
ひとつは、女性へのバースディプレゼントに、キャンドル付きの華やかなもの。
もう一つは、とてもオシャレな女性だったという、亡くなった方へのお花。
二日違いで、この二つのお花を作ってお送りしました。

花屋にいた時も、今でも、毎回頭を悩ますのは、お客様が本当に満足してくださるか、
ということ。お花の場合、選ぶ花、グリーン、色、器、ラッピングで、印象がまったく
違ったものになります。ほんのちょっとしたことでも、出来上がりがずいぶん変わる。
人の価値観や考えはそれぞれだから、同じ「可愛い」でも作る人、お客様、プレゼント
された方、それぞれ感じ方は違うと思うんです。
私は元々不器用な人間で、花の技術もないのですが、お客様のご要望通りのモノづくり
や、人気のある商品づくりというところにもとても苦労します。
私は、原色やパステルカラーが苦手で、地味系に走りがちだし、ただ自分の好きなように
作ったものは素直なのに、ついあれやこれやといじくりまわして潔く短時間で作れずに、
これを気に入ってもらえるだろうかと、不安が募って。
出来上がった時ではなくて、相手の反応が見られた時、言葉や文章を通して感想を知った
時、ようやく肩の荷が下りる、ちょっと大げさだけど、そんな感じです。

今回の対照的な二つのリース。お送り先の方にはお会いしたことがないので不安でしたが、
結果的に、とても喜んでいただけて本当によかった。

アンティークピンクとアプリコットのお花で、山屋にしては、とても華やかなリースに。

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亡くなられた方も、この花いっぱいのリースで喜んでくださること願って。

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山屋アイスキャンドル

先日、遅ればせながらの山屋新年会を行いました。
数年前からの夢だった山屋アイスキャンドルを実現したい!と思っていたら、
この時期にまさかの春のような陽気。連日プラス10℃ほどになり、当日は雨。
まったく意地悪な天気!と本来なら氷点下にならないなんて喜ぶはずがこの日
ばかりは恨んでいました。
それでも、知人の協力のおかげで山屋アイスキャンドルが灯り幻想的な景色に。

よりによって、カメラの不具合と忙しさにより、アイスキャンドルが並んだ光景
も、お料理も、写真に残っておらず…勿体なかったなぁ。。

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姫リンゴを入れた氷を土台に

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バナナのタルト

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小さなハートリース × BUCCHUS

二月は、ワークショップ月間になりそうです。

昨年12月に、キャンドルアレンジのワークショップをやらせてもらった、蟻ケ崎の
BUCCHUSさんでのバレンタイン企画。
今回は、アンティークカラーの直径8cmほどのハート型リースを作ります。
お友達へのプレゼントにしても可愛らしいハートリース。
ピンク系とブルー系からお選びいただけます。

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●2/7(金) 19:00〜 (申し込み状況により、2/9(日)を予備日としております。)
●お一人様 1500円 (学生さん 1200円) お茶ツキ
*ピンク系、ブルー系両方作りたい方は2800円になります。

ご予約、お問い合わせは mayu.yamamura@garden-yamaya.com

BUCCHUSバッカス
〒390-0861 長野県松本市蟻ヶ崎5-2-3
☎080-4008-8915
北欧家具・廃材を利用したオリジナル家具の販売、お部屋のインテリアの提案など。
店舗のスペースを利用してアーティストによる個展なども開催しています。

*その後のワークショップ予定もブログにて随時お知らせいたします。

Schwarzbohnenbrot 黒豆パン

お豆がおいしいこの季節。
ル・クルーゼのお鍋をストーブにのせておくだけでふっくらやわらかく仕上がる
ので、お豆を食べる機会が増えます。

味なしの大豆は和洋様々な料理に使えるし、いたみやすい甘い煮豆もこの時期なら
安心なので多めに煮ます。鞍かけ豆(緑色の体に鞍を乗せたように黒い模様が入る、
信州伝統野菜)は、ひたしまめといって、茹でてお醤油をかけていただくと、甘くて
おいしい私の大好物。小豆も茹で小豆にお砂糖をかけて食べたり、あんこにしたり。
と、豆の話は付きませんが、中でも黒豆は別格!

翌朝用のご飯を夜セットする時に、サッと洗った黒豆を一握り入れて炊くと、朝の
キッチンには甘い香りが広がり、黒米のように色づいたご飯とふっくら黒豆が輝く
特上ご飯。塩むすびでも美味しいお気に入りのご飯です。
今回は、東京にいる時に大好きだった富ヶ谷のパン屋さんの黒豆パンが恋しくなって
材料も分量も適当だけど、たっぷり水を吸わせておいてから蒸した黒豆を入れて型に
入れて焼いてみました。あのパン屋さんにはかなわないけれども、おいしかった!
松本の、自然農園はこべさんの強力粉を使ったこともあり、小麦の香りと甘みを感じ
る味わいでした。

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翌日は蒸してホカホカにして食べたら、また幸せでした。

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*お知らせ*
2/2の「山屋冬のリースづくり教室」は、おかげさまで定員になりました。
また、何か計画しようとおもいますので、お楽しみに!

Pferd 馬

好きな動物は?
そう聞かれたら、迷わず「馬!」と答えます。
何度かブログにも書きましたが、私は東京都立農芸高校の園芸科(小さい頃から「この学校
に入らないなら高校へは行かない!」と言っていた)に入り、馬に魅せられて馬術部に入部
しました。それまで喘息持ちで病弱だった私は、農業と馬術を始めたことで体力をつけ、
趣味の力に後押しされ、今までになく充実した学生生活を送ることができたのは事実です。

けれども、高貴、お金持ち、優雅…と連想されやすい馬術の世界は本当に厳しかった!
落馬したり馬に蹴られて命を落とすこともある馬の世界。
上級生の言うことはすんなり従うけれど、新入生の言うことは全然聞かない頭のイイ動物。
馬場で三年生が乗れば馬場馬術になるのに、一年生だと勝手に暴走して振り落としたり、
放牧場で三年生が呼べばすぐに捕まるのに、一年生だと、立ち上がって脅かしてみたり。
乗馬や馬の手入れはもちろん、飼料、ワラ、青草…どれも力仕事で授業の半分が農業実習
なので、農業と馬に明け暮れるヘトヘトの日々は今になれば楽しかった思い出です。

私たちがいた頃はおじいちゃん馬一頭に対して、部員12名。
体力がないからと乗れるのは一日3,4人。あとの人は果樹園に餌用の草刈りをしたり馬場
の整備をしたりします。それから夏も毎朝5:30〜涼しいうちに朝練をして、馬を洗って餌
をやり、自分たちも朝ごはんを食べてから登校。これに炎天下の農作業やプールがあれば
もう…。家から高校までは自転車で5分。学校で夜ボヤ騒ぎがあればまず厩舎に飛んで行
き、毎年元旦も馬当番でした。

毎回命がけのジャンケンで決めるのは、毎週末埼玉にあるOGの乗馬クラブに行く回数。
普段の練習では三年生が下級生に教えるだけなので、OGに教わるという名目で、丸一
日、ものすごい緊張感の中、乗馬クラブの仕事や雑用を必死でこなし、運がよければ
会員さんの馬に数十分下乗りしながら指導してもらえる。といった具合。
夏休みなどの長期休みには、毎日数人ずつ当番と合同合宿があり、馬場の開拓や修繕、
草刈り、畑からトラックでにんじん収穫、田んぼワラ束作りと運搬など盛りだくさん。
他の仕事ができなかったり、ミスをすれば乗せてもらえないし、乗ったとしてもOGを怒
らせれば、即選手交代。その厳しいOGには、怒鳴られることはしょっちゅう、短鞭で
たたかれることさえありましたが、その小柄な真っ黒に日焼けしたオバちゃまOGに褒め
られた時、の喜びといったら!

辞めたいと思ったことは多々あるけれど、同学年にも一学年下にも女子は一人だけだった
けれど、最後まで続けて良かった。
馬から学んだこと、本当にたくさんあります。 馬に乗れたことでスイスの家族と一気に
距離が縮まったことも、辛かった部活のご褒美だったのでしょうか。

スイスの雪原をギャロップした、あの爽快感。もう一度味わいたいな、と思う今日この頃
いつも私たちが車で通ると、近寄ってくる愛くるしい子に会ってきました。

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