雪中宝探し

あの大雪の日から一ヶ月。
ずっと解けずにいた大量の雪は、先週末の春のような陽気と雨で
すっかり解けてしまいました。春一番が吹き、塩尻でも最高気温14℃!
その日は上着が気持ち悪い陽気でしたが、翌日は一転、真冬に逆戻り。
今週は、小雪舞う寒空に身を縮める日々を過ごしています。

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ジムニーの窓ガラスにつく毎日違う‘雪の結晶標本’。

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雪解け前の遺跡。
リードを離して散歩した時の犬と私の足跡。

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銀世界の山屋の畑にて、宝探し大会!!

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息子は「たしか、この辺にあったと思うけど…」
と野菜のありかを一生懸命探っていました。

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見つけ出したのは、芽キャベツ!

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ただでさえ甘みや旨みが濃縮された芽キャベツ。
完全に凍っていましたが、雪の下で一層甘みを増しました。

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ちりめんキャベツや、ちょっと変色してしまった紫白菜も。
本当はほうれん草を収穫したかったのですが、凍りついて、
葉っぱがバラバラなってしまうので、今回は断念。
今は、この雪もすっかり解けてしまい、ちょっと寂しいくらいです。

GATEAU CHOCOLAT DE NANCY

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今年のヴァレンタインデーにはガトーショコラを。
私が持っている本のレシピだけでも、いく通りもありますが、今回は
ドイツ国境に近いロレーヌ地方ナンシーのレシピを採用しました。

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ロレーヌ地方では昔からお菓子にチョコレートをよく使っていたそう。
美味しいものの話に度々登場するグルメで名高いスタニスラス善良公は
ポーランドの王様で、このお菓子に自分の名を授けたそうです。

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チョコレートをそれほど好んで食べない私ですが、
甘さ控えめのしっとりしたガトーショコラはちょっと別格。

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スイスのダークチョコレートとドイツの製菓用チョコレートをミックスして
使用、大人の味わいに仕上がりました。
ちょうど雪が溶け、青々した庭のミントが出てきて彩りに添えました。

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ちょうどヴァレンタインデーの翌日が誕生日の友人が訪ねてきたので、息子と、
来週誕生日を迎える私と三人で、またまた合同誕生日会!

Geburtstag 誕生日

2月9日。
おかげさまで無事に息子は6歳になりました。
大した病気もケガもなく、4月からはいよいよ小学生!

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誕生日プレゼントのお絵かきセットで窓にお絵かきしたり
エルマーの冒険の可愛らしいすごろくで遊びました。

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夜には大好きなハンバーグでお祝い。

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数日前に、姪っ子と合同で誕生日ケーキを囲んでお祝いしましたが、
やっぱり当日なにもないのは寂しいということで…
冷凍しておいたほぐし栗を使って、創作栗のタルトを。

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つい、ー子供以上に、イベントとなるとテンションが上がってしまいます。

山屋餅つき大会

年末恒例の山屋餅つき大会。(とはいえお友達ファミリーが道具から何から、
全て持って来てくれるんです。娘さんは息子と同い年。)
この冬は、スイスに行ってしまうからできないか…と、残念に思っていました。

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ところが、餅好きな私たち親子のために「せっかくだから帰国したらやろう!」と
言ってくれ、2月のお餅つきが実現したのでした。
かれこれ遡ること5年前。母親たちがやりたい一心で、赤ちゃんをおぶっての
お餅つき。その光景がまた滑稽で笑えました。何もわからない赤ちゃんの表情
と必死に手返ししたり、熱々のお餅を丸めたりする頼もしい母親たち。
それから年々子供たちは成長し、ついには子供用の杵で上手にペッタンいい音
出して餅つきしたり、試食用に丸めたり、すっかりお手の物に。

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おろし、きな粉、あんこ、鶏団子鍋…と相変わらず盛り沢山。
子供達はちぎって、何もつけずに美味しそうに頬張っていました。
やっぱり、自分たちでついた杵つき餅は最高!!
毎日のように、いただいています。

スイス?

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いいえ、これは木曽です。
以前から気になっていた、雪景色の中の木曽馬と、馬そり。

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木曽馬は平均135cm程度の小柄な日本在来種。
優しい瞳と、このサイズ、モコモコした毛並みが愛らしい。

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馬そりは登記期間中ずっとやっているのかと思ったら、イベントのみだと
いうことがわかり、先週末開催された開田のかまくら祭りに行ってきました。
ちょうどその日10歳の誕生日を迎えた姪っ子や両親も遊びに来ていたので、
みんなで賑やかに。

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雪景色の木曽路を走ること一時間半。
開田高原に入っても、看板など一切なく不安になり、直売所で聞いたりしながら
御嶽山に向かって山道を走り、ようやく辿り着きました。

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ソリは持参したのですが、肥料袋に藁を詰めた手作りソリの方がよく滑ります。

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巨大かまくら(中は部屋のようになっていてくつろげる)や、ボブスレー並みの
急坂のそり、馬そり、スノーモービル、除雪車試乗等、子供にとっては盛り沢山!

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やっぱり男の子!除雪車に乗って大喜び。
それから、スノーモービルは私が運転してもいい、ということで、
親子で田んぼの周りを猛スピードで走り、大興奮でした!
この冬は暖冬から一転、塩尻でも久しぶりに−18℃を観測しました。
帰国後は朝の気温が−10℃前後と厳しい寒さが続いていましたが、
冬ならではの楽しみを満喫できた一日でした。

Kartoffeln ジャガイモ

スイスの主食は主にジャガイモとパン。
今ではお米やスパゲティ、バリエーション豊かなマカロニ類、クスクス
やポレンタの他、粉ものなどもよく登場します。スイスは、ドイツ語圏、
フランス語圏、イタリア語圏、ロマンシュ語圏があり、料理も日本同様
その土地土地によって違います。そもそもスイスはヨーロッパの中心!
近隣国の影響を受けながら、さらにはアジア食もポピュラーになりつつ
あり、食文化も高品質の食材も豊かな国です。

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チーズフォンデュに並ぶ、スイスの郷土料理‘ラクレット’。
蒸したジャガイモに熱々に溶けたラクレットチーズをかけていただきます。
エリカのおばあちゃん時代から愛用しているという機械を使って。

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次女ラーヘルの家でご馳走になったのは、典型的なスイスの食事。
塩蒸しジャガイモと塊のままじっくりオーブンで焼いたハム、芽キャベツ
と干しインゲンの蒸し煮。

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恩返しはお寿司に続いて、毎回大好評のカレーやコロッケ。
コロッケは主食になるので、いつもの3倍以上の量を作らなくてはならず、
大仕事。定番のツナと牛ひき肉の二種類を。

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近年購入したミーレの優れたスチームマシーンのおかげで、
だいぶ料理の手間が省けるようになりました。

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息子も衣付けを手伝ってくれました。

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揚げる作業は、テラスに大きな炊飯器のような電化製品のフリッターがあり、
業務用みたいに、こんがりと上手に上がります。5個くらいずつ、揚げては
予熱してあるオーブンのプレートに並べ、12時にはアッツアツのコロッケを
みんなで席に着いて頂きます。テラスなら油汚れも気にならず機能的!
私の帰国後にも楽しめるよう、冷凍用コロッケも沢山仕込んできました。

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こちらは、ルチェルンの伝統料理。
子牛のソーセージみたいなものをサイノメに切って焼き、白ワインを
たっぷり効かせたクリーミーなソースで煮込み、パイの中からあふれる
くらい盛り付けます。付け合わせはえんどう豆とベビーキャロットの
蒸し煮。この家の厩舎で馬を飼っているパン屋さんの社長さんが、
クリスマスの残り物の星型パイを沢山持ってきてくれたのですが、通常
は丸型のパイです。

料理の話題は尽きないので、ほどほどにしておきます。

Käse

スイスの典型的な夕食。

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チーズやバターやヨーグルトが、本当に美味しい!実はスイス研修に行くまで、
乳製品が苦手だったんです。それが、あまりにおいしくって感動しました。
特にエメンタールチーズやベルクケーゼ(山のチーズ)などハード系が好きです。

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スイスやドイツでの夕食は、直訳すると‘冷たいごはん’といって、火を使わない
夕食が多いようです。(写真はある日曜日のお昼。夕食はお寿司パーティーなので、
パンとスープで軽めのランチに)

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このチーズ。セットして、くるくる回すとカーネーションのような美しいヒダの
チーズになるわけですが、力の入れ加減がなかなか難しい!力を入れすぎると、
チーズがえぐれたり分厚くなるし、弱くても、ダメ。さすがエリカは上手でした。

スイスにいて思うことは、どこへ行ってもパンとコーヒーが美味しいこと。
機内食のパンも、今まで使用した10の航空会社の中で一番美味しいと思います。
コーヒーはたいがいどの家庭にもカフェマシーンがあって、ボタンひとつで
エスプレッソ又はカフェ・クレーメ(クリーム入りではなく、普通のコーヒー)
が飲めます。私の過ごした家では、ダイアル回すとmlの量の調整もでき、好み
の濃さに出てきます。
お店に行っても、マシーンがあって、セルフもしくは店員さんが運んできてく
れるのですが、家で飲むのと同じようなコーヒーがお店で飲むと、400円くらい。
ひどいのは、紅茶を頼むと熱湯とティーバックが出てくるだけなのに、それも
たいがいコーヒーと同額なんです。ペットボトル飲料も300-400円くらいして、
研修生時代、出かける時はペットボトルに水道水を入れ持ち歩いていました。

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今回の自宅用のお土産に買ってきたチーズ三種。
一番好きなエメンタールと、グリュイエール、ラクレットチーズ。
塩尻のスーパーで買うとなると、どれもカットで3ー5倍高価で、
うすーくスライスして食べないと勿体無い。
どれもスイスの国旗、赤クロスマーク付きなのが、さすがスイス!

Endivien エンダイブ

今回のスイスでの仕事内容は、直売所の開店・閉店準備、品出し。
キャベツの出荷調整。にんじんの選別。エンダイブの収穫。業者さんへの
発注品準備の他、料理、掃除、洗濯、アイロンがけ、靴磨き、犬や馬の世話、
買い物や、資源ごみ捨てなど、相変わらず広範囲に及びました。
さすがに冬場なので、野菜農家の仕事と言えども、巨大冷蔵倉庫にストック
してある野菜たちを、調整し出荷するのがメイン。それでも唯一収穫作業が
できたのが、ハウス栽培のエンダイブの収穫でした。

スイスの代表的な冬のサラダ野菜のひとつであるエンダイブ。
日本でも時折見かける細葉で苦味の強いものに比べ、葉っぱが
幅広で、ほろ苦いけれど甘みが強く美味しい(息子も食べるほど)。

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前作の影響で、土壌からくるカビや腐りが発生しやすかったそうで、
大株で収穫できるものが少なかったのですが、実際に一番美味しい
のは中心部。
露地栽培では、そのまま育てると緑が濃く、硬くて苦い野菜ですが、
成長後に玉ねぎ頭帽子みたいなプラスチックのキャップをかぶせる
ことで、中心部が黄色く軟白して甘く柔らかいエンダイブになります。

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スイスでは、そのほかマーシュ、トレビス、ツッカーフットという
縦長に葉を巻いていく不思議なチコリの仲間の野菜、白菜、キャベツ、
ビーツなど、サラダで食べます。私の滞在先は大きな野菜農家なので、
毎回ふんだんにサラダが食べられるのが嬉しいところ。

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この白菜が伸びたみたいなのが、ツッカーフット。
直訳すると「三角すいのお砂糖」
昨年は、山屋の畑でも小ぶりでしたが収穫できました。
甘みとほろ苦さのバランスがクセになります。

トライアスロン

まだまだ過酷な旅はつづいたのでした。
(年末年始を挟んで24日間、スイスのファームステイ先に息子と二人で仕事の
お手伝いに行ってきた、旅の結末です)

成田へは8:55着予定が23:30にギリギリ到着(ちゃんと税関、入国審査はいくつも
窓口が開いていて、警官も普段並みの人数。その人たちも残業なのでしょうか…)
ほとんどの人はスイスエアがホテル代を補償し、送迎のバスで向かいましたが、
私たちは幸い家族が迎えに来てくれていたので、そのまま車に乗り込み一時東京
の実家を目指しました。歓迎のしるしなのか、雨女到着ともに激しい雨!

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ところが、この後関東甲信越地方に大雪警報とのこと。本当は実家に一泊した方
がいいかと思っていましたが、仕事もあるのでお土産だけ引っ張り出し、サッと
シャワーを浴びて、午前1:30いざ出発!すでに大粒の雪が降り始め、中央道へ
向かっている途中、通行止情報が入り急きょ関越道へ。吹雪の中を40キロ走行で
トラックにまみれながらの雪道運転。途中事故数カ所、かき分けた雪が凍りつき
ワイパーが止まったり、渋滞で止まっていたら抜け出せなくなったり。
群馬での通行止の電工表示板も横目にトラックにくっついて強行突破で進んで
いき、何とか上田・菅平までやってきました。その後は更埴-安曇野間で通行止
ということで、上田・菅平から下道。山屋に着いたのは13:30でした。

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東京から山屋まで11時間(私は半分運転。ちなみに通常は3時間弱で着きます)。
極めつけに、家の前の雪かきをしないと家にも入れず、車も停められない状況で、
雪かきに2時間!!
まるでトライアスロンのアスリートになったような気分でした。
機内でも数時間しか寝られず、親子共に時差ぼけの妙なテンションで。
結局その日は仕事をお休みして、雪かきと雪遊びに子どもも犬も大喜びの一日。
その晩は、倒れこむようにしてベットに潜り込みました。
それにしても、キャベツで体鍛えておいて良かった!

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ロシア初上陸

お待たせしました。

そんなこんなで、ロシア・ハバロフスク空港での一時待機が決まりました。
すでに飛行機に乗ってから15時間。空腹に苛立ち朝食を催促する人も出てきて、
急きょ機内での朝食サービスが始まり、皆ホッとしていました。
「空港の許可が得られたので、外へ行きたい人はロビーへどうぞ。ただし、
出発直前まで機内へは戻れません。希望者のみ入り口付近へ来てください。」
もちろん、私たちの答えはYES!

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極寒のハバロフスク空港は氷点下14-20℃。ドアが開くと同時に肌を刺すような
寒気でしたが、この時ばかりは解放感に満ち気持ち良く感じられました。
タラップを降り、写真を撮ろうとカメラを向けて振り返ると、下で見張っていた
ロシアの女性職員が睨みつけながら、低い声で「ノー!ノー!」
50mほど地上を小走りに歩き、建物内へ入りました。臨時で開放してくれたような
こじんまりとしたロビーには、棚がスカスカの小さな免税店と、ニコリともしない
いかにもロシア人の店員さんがいるペットボトルとサンドイッチだけのお店。
そして、なぜかとても親切なキッズコーナー(わかってたのかと思うほど)が!

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ちょうど、お父さん一人(奥様は先に帰国。男同士の旅を楽しんでこられたそう)
で5歳と3歳の息子さん達を連れていたファミリーと一緒になり、子供たちは一気に
意気投合!!子供たちにとってはパラダイスのような空間になりました。
この境遇で、日本人(ハーフでしたが)の男の子たちがいたこと、キッズコーナーが
あったことは、天の救いだと思えたほど、ありがたく感じていました。

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4時間後にロシアのサンドウィッチ一切れと350mlのミネラルウォーターが
支給されました。パサパサのパンだったけど、とっても有難かった。

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だんだん、日が暮れてきましたが、音沙汰なし。その間もロシア人の空港職員
は、寒さなんてなんのその!という表情で、ずーっと外でウロウロと到着を待って
いたのには感心しました。頭だけは毛皮だけど、体は薄着でビックリ!

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ロシアの可愛い消防車が続々集まってきて、みんなで不安になりました。
「荷物燃えたらショックだなぁ」と隣でつぶやく男性もいて。

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いよいよ、動きがありそうで窓際に人だかり。
今日中に日本に帰れるのか、このままハバロフスクで一夜を明かさないと
いかないのか…あと二時間くらいで日本だったのに。。。
不安な気持ちを胸にみんなで祈り見守りました。

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意外とあっけなく、何したのかもわからないまま、
「機内にお戻りください」のアナウンス!
全員慌てて用意して、小走りに戻ってゆきました。
3人の子供たちも、それはそれは嬉しそうに全力ダッシュ!

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機長から「嬉しいニュースです。エンジンも直り、システムもリセットできたので
準備ができたら飛び立ちます!」
喜んだのも束の間。「厳しい寒さのため、エンジンをしばらく温め、再び解氷作業の
ために1,2時間お待ちください。どうにか成田が閉まらないうちに到着できるように
祈ります。」???

席についてから、さらに二時間後、あたりはもう真っ暗。
ハバロフスクの足止め9時間。ようやく動き始めたのでした。
大変だったけど、トラブルこそ貴重な体験!と、どこか楽しんでしまう不謹慎な私。
一生、来ることはないだろうと思っていたハバロフスクに、降りたてたこともまた
思い出深い今回のスイス旅でした。