Knopfliクノップリ

直訳すると「小さなボタン」という名前の、粉料理を作りました。スイスでは主食としてよく食べるのですが、シュヴァルツ家のとっておきのレシピで作ったクノップリは格別に美味しくて、私も含めみんなの大好物です。粉と卵と塩と牛乳と水をミキサーで混ぜ、1時間以上寝かせてから、専用の穴のあいた器具の上に生地をおき、ゴムベラで大鍋に落としていくと、1,2分でボタンのように、つぶつぶが浮き上がってきます。それをザルにあげ、水でさっと流す作業を繰り返し、何食分かまとめて作って、大半は冷凍(茹でる作業だけでも少しずつやるので、今回は1時間以上かかって)すぐに食べる分は、茹でただけでも十分美味しいと思うけれど、これをさらにフライパンでこんがり焼いてから食べます。こういった粉料理は、和、洋、中どれをとっても共通していますが、それぞれに特性があるから面白い。ちなみにこのゆで汁は捨ててはいけなくて、ここに数種類の野菜とブイヨンをいれた野菜スープがまた美味なんです。今回はカッテージチーズを加えるシェフィンお気に入りのクノップリと二種類を作りました。

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ある夏の日の昼食。クノップリと、ハーブマリネ豚のオーブン焼きキノコソース、トウモロコシとモロッコインゲンのサラダ

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Knollensellerie根セロリとKarottenニンジン

根セロリやニンジンが次々にバロックに収穫され、シュヴァルツ家に運ばれてきます。畑の作業は見ることはできませんが、トラクターやフォークリフトが行ったり来たり。そんな光景を見ては息子は手を降り、大はしゃぎ。前にも紹介した通り、この様に泥付きのままバロックに入れ、巨大冷蔵庫に5段重ね、春まで注文に合わせて出荷調整をします。ニンジンは、日本のニンジンは作り物のように太くてキレイですが、こちらでは細いのやら曲がっているのやら色々。そんなところからみても、日本の農作物は世界一と言えるほど、野菜も果物も立派で美しい。けれど、その影には計り知れない努力と規格外商品があるのでは、とついつい考えてしまいます。
根セロリは、日本のセロリよりも強烈な香りですが、スープや煮込みに入れると風味と甘みが絶妙です。日本のセロリも時々見かけるけど、こちらで言うセロリとは、この根セロリのこと。通年欠かせない野菜です。シュヴァルツ家では根セロリだけのサラダは作るけど、ポタージュは作らない様なので、根セロリのポタージュを作ったら「お店の味がする。これはなんて言うスープだ?」とシェフが感激してました。以前東京のスーパーで見かけたことがあるけれど、一つ600円位してびっくりしました。ぜひとも自分で作ってみたいと、スイスから種を買って帰り挑戦してみたけれど、発芽はしてもその後の生育が遅く、結局収穫には至りませんでした。シェフに聞いたら、根セロリは最も時間を要する野菜(約7ヶ月)だそうで、種から育てるのは温室やらハウスも必要で手間がかかるから、苗を購入し、植えているとのこと。いつか山屋でも収穫できる日が来ることを願って、再チャレンジしてみようかなぁ。

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ベガとティッピ

先日一歳になったティッピは、相変わらず家の中で粗相をしてしまったり、お菓子作りのためのバターを食べてしまったり、息子のマフラーや帽子でじゃれていたりと目が離せませんが、体はずいぶんしっかりして、ベガと大きさがほぼ同じになってきました。ましてや同じ母親の子供だから、パッと見ると見分けがつかないことも。ミルタはベガのことは撫でて、ティッピのことは怖がって近づかないのですが、息子は逆。ベガにはかなわないけど、ティッピなら手なずけられると思ってるのか、ティッピが吠えると「ズィッツ!ズィッツ!(sitz:お座り)」と一緒になって言います。これは私がシュピに言っていたから、前から言ってはいたのですが、こっちの家族も大笑い。それにわざとミニカーをティッピめがけて走らせたり、お互いにちょっかい出し合ってます。
二匹のじゃれ合いも前より仲良く長続きするようになり、この大きさの犬たちが夜家の中で飛び回ってじゃれ合っているとけっこう迫力があります。私がこの家に来るたびに待ってましたとばかるに犬のシャンプーを手伝わされていました。今回も来て二日後にさっそく。その後忙しすぎて時間がなかったち、天気が悪く寒かったり…やっと先日小さな助手が手伝って洗うことができました。
写真左がティッピ。右がベガ。

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羊の大移動

これも冬支度の恒例行事。写真背後に写っている放牧場から、シュバルツ家の敷地内に羊を移動させました。シェフが「ハリハリハリハリ」と呼ぶと、羊たちは一斉に寄ってきます。万が一に備えて、おびき寄せるための餌をバケツに入れ、シェフが先頭を走り、最後尾からはホウキを振り回しながらアフガニスタン人のナーデルが危なっかしい子羊たちを追い込み、約30頭の羊の大移動は無事終了しました。春が来て、再び放牧場放してもらえるまではしばしの我慢。これからは、部屋にいても時々羊の声やベルの音が聞こえます。

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お墓参り?

スイスでは11月頭までに、お墓をキレイにする習慣があるようで、手伝いを頼まれ、先日秋晴れの日にシェフィンのおばあちゃんのお墓へ行ってきました。それぞれに亡くなった方への思いをお墓に込めて、思い思いにキレイに飾ってあるお墓は、日本ほど暗い怖いイメージはありません。むしろ、ひとつひとつ見物してしまうほど。針葉樹や雰囲気のある樹木に囲まれ、芝生が広がり、何気ない水汲み場まで、どこか絵にになります。夏に植えてあった植物や雑草を抜き、ラベンダーとバラを切り戻し、新しく二色のエリカを植え、家から切って行ったもみの木とヒバでマルチングをしてきました。もう少ししたら、クリスマスらしい飾りをその上に置く予定だそうですが、すでにクリスマスムードのお墓もたくさんありました。スイスで有名な作家さんのお墓もあるらしく、写真を撮りに来ていた男性にシャッターを押して欲しいと頼まれました。

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Kleineman クライネマン

まだわからないからでしょうが、なんでも物怖じせず、目敏く興味津々で、すぐ真似っこし、小さいくせに、どこか一丁前…そんな息子はクライネマン(直訳すると‘小さな男’)と呼ばれています。
日曜日や夕食後には決まってシェフと並んでテレビタイム。エスプレッソにお砂糖とミルクを入れ、ティースプーンでグルグルかき混ぜるシェフのマネして、カップにわざわざスプーンをいれて飲んだり、手を当てて咳き込むマネしたり…迷惑もかけているけれど、緩和剤のような存在でもあるクライネマン。今まで熱も出したことなく、健康優良児でしたが、ついに周囲の風邪流行に負けて、ここ数日鼻水と咳で苦しそう。それでも機嫌がよく食欲もあり、元気は元気。泣いたり機嫌が悪くならないだけ救われてます。医療関係は優れているスイスですが、意外なことに家庭療法に重点をおいていて、風邪くらいじゃ病院にかからないようです。息子のためにも、ラーヘル手づくりの‘タイムバター’(溶かしたバターと乾燥タイムを入れ少しおき、ザルでこして容器に入れ冷蔵庫で固めるだけ。胸と背中に塗って呼吸を楽にさせる効果があります。)と、喉や咳に効くセージとタイムのお茶にハチミツを入れて飲ませるようにと、可愛いパッケージハーブティーをくれました。日本では近年ハーブも身近な存在になってきましたが、ガーデンや料理で楽しむのが大半。日本の薬草同様、ヨーロッパの古くから伝わるハーブの利用法やハーブを使ったレシピを、この家でずいぶんと教わりました。私も、もっと山屋ハーブガーデンを有効利用できるように、ハーブともっともっと身近に暮らせたらいいなぁ、と思います。

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先日の選挙日には深夜0時に結果が出るそうで、延々この番組をやってました。
さすが、スイス!この派手なスイスカラーの選挙番組を息子も真剣に観てました。

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Geburtstag お誕生日

次女Rahelラーヘルの37歳のお誕生日を皆でお祝いしました。日本ではお誕生日を迎える人が主役で、招かれたり、ご馳走になったりしますが、こちらでは主役の本人が親しい人をたいていは家に招待し、もてなします。(男性や子どもの場合は結局奥さんが料理したりしなければならない)だから準備に片付けにと大忙し!今回は大人12名と子ども5名でラクレットパーティー(茹でたジャガイモに、機械で熱した熱々のチーズをかけ食べる、ホンデュに並ぶスイスの代表的な料理)でした。以前私が研修生の頃は30歳(節目となる年は更に盛大に)のラーヘルの誕生日に、隣町の山の中腹に建つ古城を貸し切ってのラーヘルには内緒で皆で計画したサプライズパーティーに感激しました。そこはラーヘルたちが結婚式を挙げた記念の場所でもあり、その時はシュヴァルツ家の馬の馬車で古城まで行ったそうです。やはり、こちらは規模が違う!そして、こんなにしょっちゅうパーティーをしてるから、パーティー慣れもするし、テーブルセッティングや大人数の料理も上手な訳ですね。

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私からのプレゼントは、日本から計画して持参したカゴに秋のアレンジメントを。時間もなく、キヨスクの数少ない花の中からバラとガーベラだけ買って、あとはこの家にあるものを使ったらボリュームのあるアレンジが出来上がりました。つい、スイスでこのくらいのアレンジを買ったら高いだろうなぁ…なんて思うくらい、スイスは花も高いんです。食いしん坊のティッピがすかさず寄ってきて…

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子どもたちは早々に食べ終わり、おままごと遊びに夢中!大人は大人で楽しみ、子どもは子どもで楽しむのがスイス流?

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シェフィンからのプレゼントは手づくりケーキ!

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Spazieren お散歩

このところ、朝も氷点下にはならず、日中も穏やかな秋晴れが続いています。週末など、ちょっと時間がある時には天気がよければ必ず散歩にでるようにしています。スイスの子育てはけっこうスパルタ!乳幼児を真冬でも完璧に厚着させ、乳母車にいれ、外のテラスに一時間くらい置いてお昼寝させたり、一時間かそれ以上の散歩をよく頼まれました。昼間は外の空気に触れさせる、というのは掟のようなもの。子どもは風の子!寒かろうと外が大好きです。
近所を一回りするだけでも、シュヴァルツ家のキャベツ畑や、サクランボ畑、近所の馬小屋にはたくさんの馬…小さな発見がそこら中に散りばめられています。

10月30日(日)で、夏時間から冬時間に変わりました。一時間遅くなることになるので、日本との時差は8時間に広がりました。

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ロバを飼ってるファミリーに遭遇しました。皆放牧場から家へと帰って行くところで、息子も大興奮!

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Bern ベルン パート2

またまた紹介しきれなかったので、続きです。
必ず毎回立ち寄り、写真を撮らせてもらう素敵な花屋さん。他の花屋さんとはちょっと異色でとても個性的。毎回勉強になります。

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ベルンのこのおじちゃんの焼き栗はすごく大粒で美味でした!特殊な紙袋は、殻入れのためのポケットつき。観光名所の時計台脇なので繁盛してました。

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古い昔ながらの薬屋さん

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海のないスイスではお寿司は高級品!上品なケーキのようにショーケースに並び、一個300円ほどしたり、のり巻きの小さな盛り合わせが2000円くらいしてました。

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ピッカピカのガラス窓の向こうにジュエリーのように並んだ小さなスイーツ

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もちろん、緑の美しい田園風景や田舎の景色も大好きだけど、やはり街は刺激的です。

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Bern ベルン

朝の仕事を終えてから、休みをもらってベルンの街へ行ってきました。スイスの首都であるベルンまでは電車を乗り継ぎ一時間。世界遺産である旧市街は何度見ても飽きません。石造りのアーケード、素敵な花屋さんや、一日中いられそうな本屋さん、マルクト(市場)広場…観光名所のバラ公園もクマ公園も一度で十分ですが、久しぶりに外国の街に出ると、目や首が疲れるほど、時間に追われつつも、お気に入りのお店を回るだけでも慌ただしく時が過ぎてしまいます。普段買いものに出られないので、なおさら。スイスでは、大抵のお店が夜18時か19時頃まで。州によって、木曜日か金曜日に20時か21時までお店を開けるところがあり、シュヴァルツ家の労働者たちも、その日は仕事が終わったら大急ぎでシャワーを浴び、オシャレをして出かけて行きます。そして、土曜日は16時か17時まで。それ以降〜日曜日は営業してはいけないらしく、営業しているのはガソリンスタンドの横のコンビニ(それだって22時頃まで)と駅付近のキヨスクと空港のお店くらいです。土曜日の午後は自由時間があることが多いので、ニーダービップのスーパーには時々行ったり、この家の買いものを頼まれて何処かに行ったついでに、必要なモノは買ったり。常にモノが溢れていて、いつでも買いものができる日本に慣れてしまうと、ストレスを感じることもあるけれど、これくらいでちょうどいいのでは、とも思います。でも、欲をいえば、本屋さんや文房具屋さん、リサイクルショップにはじっくりいたいものです。20111029-045601.jpg

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写真はブレてしまいましたが…スイスらしいローカル線も色々あります。
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